鵜呑みとはどういう意味でしょうか?
鵜呑みにしてはいけないとは、よく聞く言葉です。
私はこの言葉が正しく使われていることは少ないと感じています。それどころか人をコントロールする為に悪用されているとさえ思います。
「鵜呑み」について、正しい意味と鵜呑みにしない方法をロバート キーガンの発達段階を元に書いていきます。
鵜呑みにするとは?
意見や発言、物事の意味や意図を理解しないまま受け入れる事を指します
鵜が魚を丸飲みする様が語源と言われています。
例えば服を買いに行って、グレーのパーカーを買おうと手に取ったとします。そうしたら店員さんに、黒のパーカーの方を「似合うから」と勧められた場合、
発言の意図として考えられる候補として、黒の方が似合うと思ったから以外にも
- 出来る店員風に振舞いたかった
- 黒の方の在庫が多かったので勧めた
- グレーが似合っていたが、ストレス発散の為に嫌がらせをした
- 後で自分で買おうと思っていた残り1着だったので別の物を勧めた
等といった事が考えられます。それを言葉通りに受け取って黒を買った場合、店員の言葉を鵜呑みにした事になります。
ロバート キーガンの発達段階
人間を発達段階で大きく5つに分類し、それに基づいた組織開発や人材育成に役立てられています。5つの発達段階については下の記事をどうぞ。
第2段階
自己中心的、自分の欲求の為に人を使う、選民意識、他人起点で考えられない。
第3段階
自分の考えや意見を言えない・わからない、他人視点で物事を見る。大人の70%くらいがこの段階。
第4段階
自分の意見を確立しているが、他人起点も持てる。小さなグループを引っ張るリーダー的イメージ。
第5段階
人と他人は同等に「1人の人間」という理解。大きな組織の落ち着きはらった社長のイメージ。
ロバートキーガンの発達段階と鵜呑み
発達段階による鵜呑みの解釈
第2段階
この段階では「鵜呑み」の意味を理解出来ていません。
- 鵜呑みにする=信じる・従う
- 鵜呑みにしない=信じない・従わない
というレベルの認識です。
そしてこの段階にある人が、「鵜呑みにするな」という言葉をよく使います。
他の人のいう事は聞かずに自分の意見に従えと、体よく言うのに便利な言葉だからです。
第3段階
自分の意見はあまり言わず、人の意思を尊重し従順な組織の一員でありたいと願うこの段階の人が「鵜呑みにするな」と言われやすいのです。
そして「鵜呑みにするな」という意見さえ自分に取り入れようとして悩んでしまいます。
第4段階
この段階で、積極的に自分の意見を述べ始めます。
第2段階の、自分の思い通りにしたいがためのものとは違い、自分の中の価値観に基づいてより良い方向へ皆で進む為に発言します。
この段階が「鵜呑みにするな」という場合は、よく考えて欲しいからという氣持ちからです。
なので、自分の発言も含め「鵜呑みにするな」と言います。どうしてそれを鵜呑みにしてはいけないのかの説明もします。言葉や現象に隠された意味も説明出来ます。
第5段階
人の発言の意図を理解出来て、上手くくみ取ったり当たり障りなく避けたり出来ます。第3段階の人が目指す「鵜呑みにしない」状態はここだと思われます。
この段階の人はあまり鵜呑みという言葉を使わないと思われます。鵜呑みをするのにも理由や原因があり、それをも尊重するからです。
「鵜呑みにするな」の発言の意味
この言葉を良く使うのは、自己起点で物を捉える第2段階にある人です。
なので、「鵜呑みにするな」と言われた場合、
- 思い通りに操りたいからという意図はないか
- その「鵜呑みにしてはいけない」発言の真の意味が解説出来るかどうか
- 何故鵜呑みにしてはいけないか納得できるような理由があるかどうか
を一度検証してみてください。
コントロール目的の「鵜呑みにするな」という発言ならば、その言葉を鵜呑みにしてはいけないという事になります。
鵜呑みにしない方法
第3段階の「自分の意見はあまり言わず、人を優先する」状態の人は、その他人軸のまま、鵜呑みにしない状態を目指そうとします。
つまり、第3段階から、第5段階へ移行しようとするわけです。ですがそれを叶えるのは難しいと言えます。
何故ならば、発達段階は2→3→4→5と、順に段階を踏まなければ進めないからです。
鵜呑みにしない為には、相手の発言にある真の意味や意図を理解する必要があります。そして、発言する側の意図を知る近道は、自分が発言する側になってみる事です。
氣まぐれや我がままではなく、何か意図を持ってしっかり発言するのは第4段階です。まずはここを目指してください。
何かのグループのまとめ役や中心人物になる事が、第4段階に移る方法の1つです。
まとめ
以前の記事で、
理想を目指す人に「現実を見ろ」という正しく思われる言葉を持ち出して相手をコントロールする人がいるという事を書きました。
鵜呑みにするなについいても、正しく思われる言葉を持ち出して、「あなたは正しくない」という罪悪感を植え付けコントロールしようとしている場合があります。
思考は言葉に影響をうけます。
心を楽にするために、言葉によるコントロールのパターンの1つとして知っていただきたいと思います。
当塾のレッスンは、罪悪感を植え付けられ、心に「首輪」「くびき」をかけられた人の心が自由になる為のものでもあります。
人に何かを言われると氣になってしまい辛い、問題解決の糸口が見つからない、とにかく抜け出せる元氣がほしいと思われる方は、是非当塾にご相談ください。
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