自分を制御する、コントロールするというのは、一見正しい事のように思われるかもしれません。ですがそれは、自分を高めるのを諦め、安易な方法に逃げているとさえ言えます。
今回の記事では、何故コントロールが駄目なのか、どうすれば良いのかについて書いていきます。
コントロールとは?
ここで書くコントロールとは、マネジメントとは違う管理方法としての概念です。そして、選択理論心理学でいう、外的コントロールの事を指します。簡単に言えば、思い通りに支配しようとする事です。
人は外側からコントロール出来、同じように自分も他の人からコントロールされるという考えでもあります、
外的コントロールでは、このような言動をしてしまいます。その結果、人に避けられたり自分の心が不安定になったりします。
人のせいにする
物事が上手くいかない時に、人のせいにします。環境や他の人が自分をコントロールした、だから失敗したのだという考えです。
ですが、自分が成功した時は自分のおかげと思います。
そして、人が失敗した時はその人のせい(自業自得)と思い、人が成功したり恵まれた状況にいれば、たまたま運が良かったから、誰かの助けがあったからだと思うのも、この考えの特徴です。
人を信用しない
人を信用しない人は、自分も信用していません。つまり、自信がないのです。なので不安により、相手を支配しコントロールしたがります。
人を操作しようとした結果、さらに相手を信用できなくなります。相手を信用できない状態で、良い
関係が築けるわけがありません。
人をコントロールしようとするのではなく、お互いに理解し協力をしていくのが良い関係です。その為には、まず相手を理解していくのが近道になります。それが出来ない為、常に疑心暗鬼で不安定な心の状態になります。
無言の圧力をかける
自分の思い通りに動いてくれるまで、機嫌が悪い事をアピールする、嫌味を言う、無視する等の行為をします。直接やって欲しい事を頼んだりせずに、言う事をきかせるのが目的です。
恐怖や不安などの感情に訴えて、相手を従わせようとします。しかもそれを無意識で行います。
それによって従ってくれたとしても、それで関係が良くなる事はありません。不信感が募り、いつかは離れようと算段されているかもしれません。
理想の押し付け
こうするべきだ、これをしなければいけない、等と自分の理想を押し付け、それが出来なければダメだというような、批判の形をとる場合もよくあります。
自分の理想は、あくまでも自分のものです。分かち合うかどうかは相手に選ぶ権利があります。それを他人に求め始めると、関係が悪くなります。
オペラント条件付けをしてしまう
自分の思うとおりにしたいという欲求から、
人がするべきことを代わりにやり、人が考えるべきことを代わりに考え、人が決めるべきことを代わりに決めるという行動をしてしまう事があります。
そしてその行動を、その人に対する思いやりや愛情だとさえ思っています。
肩代わりばかりしては自立が出来ません。困っていれば助けてくれるという「餌付け」をしてしまった結果、いつまでもあなたを頼り続けます。
言い換えれば、依存させて支配するための行動とも言えます。
自分の氣持ちの理解を強要する
人は自分の氣持ちを察し、同じように感じ・考え、同じ理想と目標を持ち、望み通りに行動するべきだと思います。
氣持ちを理解する事は、行動までもセットとして考え、それが叶えられなければ怒りに変わります。
そのように相互理解が出来るような、氣が合う人もいるかもしれません。ですが、それを決めるのはあなたではありません。
何故コントロールしようとするのか?
コントロールする方が、理解し合うよりも簡単に思えるからです。力を誇示したいという欲求に負けているとも言えます。
コントロールしようとする人の発達レベル
ロバートキーガンの発達理論で言えば、発達段階2:道具主義的段階(利己的段階)
ケン・ウィルバーの発達理論で言えば、プレパーソナルの段階です。
つまり、社会に出て規則を守り、従順に生きて行くよりも1つ手前の、自己中心的な段階にいると言えます。
コントロールをしないようにするためには?
自分らしく生きていければ、人をコントロールする必要を感じなくなります。なので、外的コントロールの考え方から離れるためには、自分らしく生きていく事です。
自己中心的な状態から、いきなり自分らしく生きる状態へは進めません。段階を踏んで精神性を発達させる事で、精神性が高まり望むような生き方へ近づけます。
まず、自己中心的かつ人に依存する状態から、社会の中で自分を抑えつつ自分を知る段階へ移ります。自分らしく生きる為には、最低限のコントロールは必要なので、それもここで学びます。
次に、心の声を聞く、内観をする等をして自分を取り戻していく段階へ進みます。ここで、人に配慮しつつも自分の意見が言えるようになってきます。
最後に、自分らしく生きるのが当たり前になる段階に移ります。自分らしさが当然になれば、同様に他の人らしさも当然になります。なので人をコントロールしようという氣持ちがなくなります。
まとめ
相手に氣持ちを伝えたい、 自分を理解してもらいたい、理想を分かち合いたいと、このような思いを持つのは間違った事ではありません。
ですが、相手にも選択肢があります。100%思いを叶える事が人付き合いではありません。
それは自分の心にも言える事です。思い通りに支配するのではなく、味方になって協力しあえる関係は楽で居心地が良い事も知ってください。
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