継続は「意志の力」ではなく「環境」で決まる

メンタルまっちょ養成所
元氣楽塾の廣瀬 英樹です。

継続には強い意志が必要」と思われがちですが、実際は環境の影響が圧倒的に大きいのです。意志の力に頼ろうとすると、いずれ限界が来ますが、環境を整えれば自然と行動が続くようになります。

1. 意志の力には限界がある

意志の力で強引に無理に続けようとして、やろうとしていた事が受け付けられないくらいに嫌いになってしまう、逆方向に向かってしまう可能性があります。強引に意志の力を使うのはおすすめしません。

意志の力は減る(ウィルパワー理論)

心理学者ロイ・バウマイスターの研究によると、意志の力は有限で、使うほど消耗することが分かっています。

意志の力(ウィルパワー)の消耗例

  • 朝「今日は運動しよう」と決意(ウィルパワー消費)
  • 仕事中に集中力を使う(ウィルパワー消費)
  • 夜になり、「今日は疲れたから運動は明日にしよう」となる(ウィルパワー切れ)

つまり、「やる氣や意志の力に頼ると、長期的に続かない」ということです。

環境は消耗しない

一方で、「環境を整える」ことで、意志の力に頼らなくても自然と行動が続くようになります。

例えば

  • 勉強する環境が整っている → 「やる気がなくても机に座るだけで勉強が始まる」
  • 運動しやすい環境を作る → 「部屋にヨガマットが敷いてあると、自然とストレッチを始める」

このように環境を工夫すれば、意志の力が弱まっても行動を続けることが可能になります。

2. 環境の影響を受ける具体例

日常の中や、身の回りのごくごく近い所の環境を見直すことで、環境は変えるきっかけをつくることができます。 そのきっかけをうまく使うことで、習慣を変化させ継続力につなげられます。

・物理的環境(目につく・手に取りやすい)

  • 読書を習慣化したい → 本をベッドやソファの横に置く
  • スマホを減らしたい → 机の引き出しにしまう

人間の行動の大半は「視覚情報」によるものなので、目につくもの=行動につながる という法則があります。

実践テクニック

継続したい行動 環境の整え方
運動 ヨガマットを部屋の中央に敷く
勉強 ノートを机の上に開いたままにする
読書 本を枕元やトイレに置く
SNSを減らす スマホを別の部屋に置く

 

・社会的環境(人間関係の影響)

人は周りの環境に影響されることが心理学的にも証明されています。

例えば、

  • 運動が習慣のある友人と過ごすと、自分も運動するようになる
  • 職場の同僚がみんな勉強熱心だと、自分も勉強するようになる
  • 周りがダラダラしていると、自分も流される

これを「ミラーニューロン効果」といい、人間は無意識のうちに周囲の行動を真似る性質があります。

実践テクニック

継続したい行動 環境の整え方
勉強を続ける 勉強する友人を作る(カフェで一緒にやる)
運動習慣をつける スポーツジムのコミュニティに入る
早起きを習慣化 早起き仲間とLINEで進捗報告

 

デジタル環境(スマホ・アプリの活用)

現代では、スマホやアプリが環境の一部になっています。

  • 続けたい習慣 → アプリを活用して「自動化」する
  • やめたい習慣 → デジタル環境を制限する

実践テクニック

継続したい行動 活用するアプリや環境設定
運動 「Apple Watch」や「Fitbit」で歩数や運動記録を可視化
読書 Kindleで電子書籍を持ち歩く
勉強 「Anki」や「Duolingo」などの学習アプリを使う
SNS時間を減らす 「iPhoneのスクリーンタイム」で利用時間を制限

特にスマホのホーム画面を整えることは効果的です。

  • 「SNSを減らしたいなら、SNSアプリを2ページ目以降に移動」
  • 「読書を増やしたいなら、ホーム画面にKindleアプリを配置」

環境が整えば、意志の力を使わずに自然と行動できるようになります。

3. 環境を整えるための3つのルール

この3つのルールをまもることで続けたいこと、続けるべきことを無理なく継続できるようになります。その結果、自然と継続力が身に付きます。

ルール①:「やるべきことをやりやすく」

習慣化したいことのハードルを下げる

  • 例:「ランニングを続けたいなら、靴を玄関に置く」
  • 例:「朝の勉強を習慣化したいなら、机にノートを開いておく」

ルール②:「やめたいことをやりにくく」

逆に、やめたい行動のハードルを上げる

  • 例:「お菓子を減らしたいなら、家に買い置きしない」
  • 例:「スマホを減らしたいなら、ベッドに持ち込まない」

ルール③:「行動を自動化する」

習慣が無意識にできるように設計する

  • 例:「朝起きたら自動的に歯を磨くように、ルーティンに組み込む」
  • 例:「スマートウォッチのリマインダー機能を使って運動を促す」

 

4. まとめ:「環境」を変えれば、継続は簡単になる

ポイント 具体例
物理的環境を変える 目につく場所にやりたいものを配置
社会的環境を変える 目標を共有できる仲間と一緒にやる
デジタル環境を変える スマホのホーム画面を整理、習慣化アプリを使う
ハードルを下げる 「とりあえず1分だけやる」仕組みを作る
悪い習慣のハードルを上げる SNSアプリを削除、お菓子を買わない

継続は「意志の力」ではなく「環境」で決まる
「やる氣がない」と悩む必要はありません。やる氣がなくても続く仕組み」を作れば、継続は簡単になるのです。

まずは 環境を変えることから始めましょう!

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