損を拡大させるコンコルド効果とは?

心の話
元氣楽塾の廣瀬 英樹です。

心のしくみが分かれば、何故そう動いてしまうのかも分かります。

今回の記事では、損失を拡大し、破滅に導く危険さえある「コンコルド効果」について書いていきます。

コンコルド効果とは

先入観や思い込みによるフィルターを、認知バイアスと言います。コンコルド効果も認知バイアスの1つです。

ある対象に使った、お金や時間、労力等を勿体なく感じ、ダメだと分かっていても、「もう少しで得をする」「あとちょっとで成功する」と思い、続けてしまう事です。

これは人間の大人特有のものだそうです。人間の大人は費やした物への計算が出来るので、もったいないと感じやすいからです。そして、もったいない事をしていると思う(もしくは思われる)のは嫌だと言う氣持ちが働くからだと言われています。

超音速旅客機「コンコルド」が、

「定員が少なく燃費も悪いため、開発しても採算が取れないことが分かっていた。しかし既に4000億の予算を投じていたので進めざるをえなかった」

事で起きた大損失が、この言葉の元になっています。

コンコルドの誤り、コンコルドの誤信、コンコルド錯誤とも言われています。

 

心理学ではコンコルド効果といわれるこの状態を、経済学ではサンクコスト効果と呼んでいます。

サンクコストとは、埋没費用ー回収不可能な費用の事です。

先行投資したものが無駄になったとしても、もう少し投資すれば成功して投資額が回収できるのではないかと思い、投資を続けてしまう事を、そう呼びます。

 

コンコルド効果の具体例

コンコルド効果で損失を大きくするパターンとして代表的なものは以下の4つです。

投資・ギャンブル

ここまで資金をつぎ込んだのだから引き下がれない。もう少し投資すれば損失を取り戻し逆転するかもしれない。といって、いつまでもお金をつぎ込む事をやめられません。

行列に並ぶ

人氣店の飲食やアトラクションに乗る為に行列に並んだとします。もし途中でそれ程行列の先に魅力を感じなくなっても、「折角並んでここまで順番が近くなったのに」「並んでいた30分が無駄になってしまう」と思い、列から離れられません。

これが、氣が変わった時点で5分間並んだ程度ならば、あっさりと列から離れられます。

恋愛・交際

付き合った相手に対し想いが冷めてしまったり、氣が合わなく感じたとします。

ですが、「もう3年も付き合ったし今更別れるのも」とか、「今は氣が合わなくても楽しい思い出を一杯共有してきたのだから」などと思い、ずるずると交際を続けてしまいます。

趣味

とある連載漫画が面白いと思いシリーズで買い続けていました。12~3巻くらいから興味をなくしたものの、折角今まで集めたのだから全巻揃えよう、途中から面白くなるかもしれないし、といった感じに、ずるずると30巻を過ぎたあたりでも買い続けてしまいます。

コンコルド効果への対策

ゼロベース思考を取り入れる

ゼロベース思考とは、今まで持っている前提条件や経験、思い込み等の枠を一旦外して考えてみる事です。

今までの考え方ややり方を一旦リセットし、白紙に戻していきます。そうする事で、今までの延長線上ではない新しい結論が出せます。

美味しいラーメンが食べたくて、行列に並んでいたとします。もう40分くらい並んでいて、列は半分くらい進みました。そこで、急にカレーが食べたい氣分になりました。カレー屋はすぐ近くにあり、並ばずに食べられます、

その時に、「40分も並んだのに、この並んだ時間が無駄になってしまう」というのがコンコルド効果によるもったいないという考え方です。

ゼロベース思考は、「今何をやりたいのか(何をすべきなのか)」「そもそもの目的は何なのか」という起点で考えてみると、やりやすくなります。

この例では、
今何をやりたいのか:カレーを食べたい、
そもそもの目的は何なのか:食べたい物を食べる、です。

なので、列を離れてカレー屋に行くのが、ゼロベース思考を元にした行動になります。

執着・依存に気付く

苦しみの根源の1つは執着だと言われています。

コンコルド効果での、もったいない、いまさら変更できない、せっかくここまでやったのに、という考えは執着です。

そして、執着は依存を生みます。

無駄かもしれないと思いつつ続けている物事は、執着ではないか? 依存ではないか? と、一度考えてみてください。

コンコルド効果は、無駄な事をしていると認めたくないという心理からも発生しています。それを、執着するのは良くないという考えに変えれば、そこから離れるきっかけになるかもしれません。

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瞑想をやった後に判断してもいいですし、瞑想を習慣付けて、普段から冷静な判断が出来るようになっておくのも有用です。

まとめ

バイアスは、つい勘違いしてしまいがちな癖の1つとして覚えておけば、腑に落ちない事があった時に、解決の糸口になる場合があります。

心の仕組みや癖を知り、楽に生きるヒントにしていただけたらと思っています。

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