「毒親」とは、子どもにとって有害となる言動や行動を繰り返す親を指す言葉です。近年、インターネットやメディアで頻繁に取り上げられるようになり、その概念は広く知られるようになりました。
毒親の特徴
毒親と呼ばれる親には、さまざまな特徴が見られます。代表的なものをいくつか挙げます。
自覚がなくても知らない間に、知らず知らずの間に、子どものことを思えば思うほど毒親へと進行している可能性があります。今一度確認のために自分事と思いながら、自分と向き合いながら記事を読んでみてください。
1. 過度な支配
過度な支配とは、親が子どもの行動や思考を過剰にコントロールしようとする状態を指します。
具体的には、子どもの交友関係、服装、趣味、進路などを親の価値観で決めつけたり、子どもが自分の意見を持つことを許さず、常に親の言う通りに行動することを求めたりします。
また、子どものプライバシーを侵害し、SNSをのぞき見たり、メールをチェックしたりすることもあります。子どもが自立しようとすると、罪悪感を植え付けたり、経済的な援助を打ち切ったりして妨害することもあります。
影響:
このような行動は、子どもの自己決定能力や主体性を奪い、依存的な性格形成や自己肯定感の低下につながる可能性があります。
※この項目は、親が子どものことを思えば思うほどにこのようになりがちですので、一歩下がって見守ることを心がけましょう。
2. 感情的な虐待
感情的な虐待とは、言葉や態度による精神的な暴力です。
人格否定、侮辱、罵倒、脅迫などの言葉による暴力や、無視、拒絶、冷笑などの態度による暴力があります。また、子どもの前で夫婦喧嘩をしたり、物を壊したりするなど、情緒不安定な行動を見せることもあります。子どもをけなしたり、他の子どもと比較したりして、劣等感を植え付けることもあります。
影響:
これらの行動は、子どもの心に深い傷を残し、トラウマ、PTSD、うつ病、不安障害などの精神的な問題を引き起こす可能性があります。
また、対人関係の困難や自己嫌悪にもつながることがあります。
3. 身体的な虐待
身体的な虐待とは、殴る、蹴る、叩く、火傷を負わせるなどの直接的な暴力や、食事を与えない、睡眠を妨げる、不衛生な環境で生活させるなどのネグレクト、性的虐待などがあります。
影響:
これらの行動は、子どもの身体に傷を残すだけでなく、トラウマ、PTSD、発達障害などの精神的な問題を引き起こす可能性があります。また、自尊心の低下にもつながることがあります。
4. 過保護・過干渉
過保護・過干渉とは、子どもが自分でできることまで親が手伝い、失敗する機会を与えない状態を指します。
子どもを危険から過剰に守ろうとし、行動範囲を極端に制限したり、子どもの交友関係を極端に制限したり、子どもの進路を子どもの意思を無視して親が決めることもあります。
影響:
これらの行動は、子どもの自立心や社会性を奪い、自己肯定感の低下や社会に適応できないなどの問題を引き起こす可能性があります。
※この項目も、親が子どものことを心配し過ぎて、ついつい子どもの領域に入りすぎてしまいがちです。ここでも一歩下がって見守ることを心がけましょう。
5. 自己中心的
自己中心的な親は、子どもの氣持ちや都合を考えず、自分の欲求を優先します。
子どもに感謝や尊敬を強要し、親としての責任を果たさないこともあります。また、子どもに親の世話をさせ、精神的に依存することもあります。
影響:
これらの行動は、子どもの自己肯定感を低下させ、罪悪感や自己嫌悪、対人関係の困難を引き起こす可能性があります。また、子どもが親の顔色を常に伺い、自分の意見を言えなくなることもあります。
6. 子供を自分の所有物のように扱う。
子どもを自分の所有物のように扱う親は、子どもの意見や気持ちを尊重せず、行動や考えをコントロールしようとします。子どものプライバシーを侵害したり、子どもに自分の夢や希望を託したりすることもあります。
影響:
これらの行動は、子どもの自己肯定感や主体性を奪い、対人関係の困難を引き起こす可能性があります。また、子どもが親の期待に応えようと無理をし、精神的に疲弊することもあります。
※受験や部活動を応援するつもりが親の価値観を押し付けたり、自分の夢や希望を託してしまっていることがあります。自分の振る舞いがこのようになっていないか今一度振り返ってきましょう。
7. 子供に依存する。
子どもに依存する親は、子どもに精神的な支えを求めたり、自分の世話をさせたりします。子どもの自立を妨げたり、子どもを自分のパートナーのように扱うこともあります。
影響:
これらの行動は、子どもに罪悪感や自己嫌悪、精神的な疲弊を引き起こし、自立心の欠如や恋愛関係の困難につながる可能性があります。
その他の重要な項目
- 経済的虐待:
- 子どものお金を勝手に使ったり、必要なものを買い与えなかったりする。
- 子供にお金の管理を全くさせない。
- 社会的虐待:
- 子どもを孤立させ、社会とのつながりを遮断する。
- 子供の交友関係を極端に制限する。
- 役割の逆転:
- 親が子供に精神的に依存し、子供が親の世話をする。
- 子供が親の感情のゴミ箱と化す。
- 兄弟姉妹間の不平等:
- 特定の兄弟姉妹をえこひいきしたり、差別したりする。
- 兄弟姉妹間で競争や対立をあおる。
まとめ
「毒親」という言葉は、あくまでも俗語であり、医学的な診断名ではありません。また、親も一人の人間であり、完璧ではありません。子育てに悩んだり、未熟な部分があったりすることは、誰にでも起こりうることです。
しかし、子どもの心身を傷つけるような言動や行動が繰り返される場合、それは「毒親」と呼ぶにふさわしい状態と言えるでしょう。
そしてこれらの行動は、子どもの心身に深刻な影響を与え、その後の人生にまで影を落とす可能性があります。
もし「これって自分のことかも?」と感じたり、少しでも自分の行動にこれらの行動が当てはまると自覚があるのなら迷わずご相談ください。
またもしあなたが毒親との関係に悩んでいるなら、一人で抱え込まずご相談ください。あなたは決して一人ではありません。
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