「成長プロセス」って何?

メンタルまっちょ養成所
元氣楽塾の廣瀬 英樹です。

この知っているわかっているできる好きであるの順番で、物事の認知レベルや行動レベルが成長するという考え方があります。

スポーツのスキル習得でも、この流れで成長していきます。ここでは、サッカーとテニスを例に、この成長プロセスを解説します。

スポーツにおける「知っている → わかっている → できる → 好きである」の深化

スポーツの上達は、この4つの段階を順に踏むことで、知識が技術に変わり、技術が感覚になり、最終的に「楽しみ」へと昇華されます。それぞれの段階を、以下のポイントに沿ってより詳細に解説します。

  1. 「何ができる状態なのか」を明確にする
  2. 各段階でどのような課題があるのかを掘り下げる
  3. 成長を加速させるための具体的な方法を考察する

1. 知っている(知識レベル)

この段階では、スポーツに関する基本的な情報を「頭で理解している」状態です。単なる言葉の意味やルール、技術の存在を知っているが、それを実際に活用することはできません。

サッカーの例:
・できること:

  • ルールを覚える(オフサイド、ファウル、試合時間など)
  • 戦術用語を知る(フォーメーション、カウンターアタック、ポゼッション)
  • 基本技術を知る(ドリブル、パス、シュート、トラップ)

・課題:

  • 実際の試合ではどう適用されるのか理解できていない。
  • 例えば「オフサイドを避けるためにはどう動けばいいか」がわからない。
  • 技術を知っていても、体を動かして実行することはできない。

テニスの例:
・できること:

  • テニスのルールを知る(サーブ、スコアリング、デュースの概念)
  • 基本技術を知る(フォアハンド、バックハンド、ボレー、スマッシュ)
  • 試合の流れをなんとなく理解する

・課題:

  • ラケットの持ち方は知っているが、正しく打つことはできない。
  • ボールの回転や打球のコントロールが理解できていない。

この段階での成長戦略:

  • 視覚的な学習(動画で動きを見る)
  • ルールや用語を紙に書いて覚える
  • 実際のプレーを観戦し、状況とルールを結びつける

2. わかっている(理解レベル)

知識を単に「覚えている」だけでなく、「なぜそうなるのか」を理解する段階です。原理や理屈がわかることで、スポーツの戦略や技術がより深く見えてきます。

サッカーの例:
・できること:

  • 「なぜオフサイドのルールが必要なのか」が説明できる。
  • 「パスの強弱や角度で相手の守備を崩せる」ことを理解する。
  • 「ドリブル時に重心を低くすることで相手をかわしやすくなる」といった原理がわかる。

・課題:

  • 頭では理解しているが、実際のプレーで意識的に適用できるかは不安定。
  • 理解と実践の間にギャップがあり、まだスムーズにプレーできない。

テニスの例:
・できること:

  • 「トップスピンをかけるとボールが落ちやすくなる理由」を理解する。
  • 「ネット際のボレーは反応速度が重要」など、プレーの本質がわかる。
  • 相手の打球のコースを読めるようになる(理論上)。

・課題:

  • 実際のラリーでは余裕がなく、考えていることを実行できない。
  • 無意識で技術を使える状態には達していない。

この段階での成長戦略:

  • 試合動画を観て、自分ならどう動くかを考える
  • プレーのフィードバックを受け、理論と実践を結びつける
  • 状況をシミュレーションしながら動作を確認する

3. できる(実践レベル)

知識と理解をもとに、実際にプレーを「ある程度意識せずに」できるようになる段階です。プレーに迷いが少なくなり、身体が自動的に反応するようになります。

サッカーの例:
・できること:

  • 試合中に自然とオフサイドを避ける動きができる。
  • パスのタイミングやコースを意識せずに判断できる。
  • 相手DFをかわすフェイントを試合の流れの中で活用できる。

・課題:

  • まだ動きが洗練されておらず、判断ミスが多い。
  • 試合の流れに影響されて、焦ってしまう場面がある。

テニスの例:
・できること:

  • ある程度ラリーが続けられ、試合の形になる。
  • フォアハンド・バックハンドのフォームが安定してきた。
  • スピンやスライスを使い分けられるようになる。

・課題:

  • 高速の球に対する反応がまだ遅い。
  • プレッシャーがかかる場面でミスをしやすい。

この段階での成長戦略:

  • 実戦の経験を積み、判断スピードを上げる
  • 自分のプレーを動画で撮影し、フォームや動きの改善点を分析する
  • プレッシャーのかかる場面でのメンタルトレーニングを行う

4. 好きである(習慣・探求レベル)

ここまで来ると、スポーツは「練習すべきもの」ではなく、「やりたくなるもの」になります。新しい技術を試したり、戦略を研究したりすることが楽しくなり、上達が加速します。

サッカーの例:
・できること:

  • 自分から戦術を考え、試合で試すのが楽しくなる。
  • 新しいフェイントやシュートの技術を自主的に研究する。
  • チーム戦術を理解し、仲間との連携を深められる。

テニスの例:
・できること:

  • 自分に合ったプレースタイルを確立し、さらに磨きをかける。
  • さまざまな戦術を試すのが楽しくなる。
  • 上級者のプレーを見て、積極的に取り入れる。

この段階での成長戦略:

  • 試合を重ねて自分のプレースタイルを確立する
  • 他の競技やトレーニングを取り入れて、競技力を向上させる
  • 上級者やプロの視点を学び、より高度なプレーを目指す

まとめ

この流れを意識すれば、どんなスポーツも効率的に上達できます。大切なのは、現時点で、自分がどの段階にいるのかを把握し、それに応じたトレーニングを行うことです。
また、スポーツに限らず、ほかの分野でもこのプロセスを活用できるので、あなたが関心のある別のテーマにも当てはめてみると面白いかもしれません!

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