ネガティブよりもポジティブの方が良い、というのが一般的な認識です。
たしかに、何事も悪いようにとらえて文句ばかりの人よりも、何かの可能性を見つけて前向きに努力している人の方が魅力的に感じます。世間での評価も高いでしょう。
実際、そのような本当にポジティブな人は、目標に向かって成長し、有意義な人生を送っていきます。
ですが中には、そうではないのに、自分はポジティブだと思い込んだり、振りをしてしまう人もいます。
そのような人は中々本来の自分とは向き合えません。ポジティブなの事だけが良いと思っているので、それとは違うのはダメだ、迷惑だと信じてしまっています。
そのようにネガティブを拗らせてしまっては、治したくても治せなくなってしまいます。
今回の記事では、そんなネガティブな人について書いていきます。
人の思考の、ネガティブ/ポジティブとは
ネガティブとは?
否定的、消極的、悲観的であること。物事を悪い方向に考える傾向にある事です。一般的には、暗くてマイナスなイメージを持つ言葉です。
ポジティブとは?
肯定的、積極的、楽観的であること。物事を比較的良い方向に考える傾向にある事です。ネガティブとは逆の、明るくてプラスの、成功するイメージで使われる言葉です。
本当はネガティブなのに、ポジティブに振舞うパターン
1.ネガティブだと嫌われると思っている
自分の中のネガティブな部分を人前で出すと、鬱陶しいと思われるのではないかとか、嫌われるのではないかとか、構ってちゃんと思われて恥ずかしいとか、そのような思いからポジティブに振舞います。
人当たりが柔らかく、優し氣な印象の人が多いです。そして少し悲しげにも見えます。
特に、人をほめ過ぎるくらいほめる傾向があります。ですがその内容は的外れな場合が多いようです。何故なら、自分の本来の良さを分かっていないなら、他人のそれは分からないからです。
2.ネガティブな自分を認められない
1.の人が優し氣な印象なのに対し、このタイプの人は、しっかりテキパキとした、いわゆる「出来る人」のような印象を与えます。ですが、焦っている空氣も少し感じます。
頼りがいがあり親切ですが、人のネガティブを見ると激しく攻撃してきます。
自分の欠点を相手に投影する「シャドウ」によるものと思われます。
3.ネガティブな人間はダメ、自分は立派だと信じている
2.との違いは、自分は立派だときっぱり思い込んでいる部分です。2.のタイプの人は、自分のネガティブさと闘っている印象に対し、このタイプは、ポジティブさのアピールに勢いがあります。
弱い犬ほど良く吠える、ではありませんが、ポジティブな自分は立派だと思って、過剰にアピールします。ネガティブ風な人を見付けると、嬉しそうに本人にアドバイスしたり、陰で悪く言ったりもします。
まるで地獄のミサワを彷彿させるような不自然さですが、本人は氣が付ついていないようです。
4.努力=ポジティブと思っている
前向きな努力は確かにポジティブです。自分の良い面と悪い面の両方を見て、何らかの理由で改善する努力なら問題ありません。
ですが、ただ「自分はとにかくダメなんだ」という、自分ではない何かになりたい理由での努力は、前向きとは言えません。
そして大概そのような努力は、自分の長所を消し、短所を強める方向性に進んでいきます。
そして、努力している自分=ポジティブな自分、という思いのみが、その人の心の拠り所になってしまいます。これでは思考も偏った不健全な状態になってしまいます。
5.単純に自分に甘い
他人に対してポジティブな助言ばかりするので、立派な人のような印象を持ちますが、自分が困難に陥った時のみネガティブになるタイプの人です。
例えば足首を捻挫した人に対して、「手じゃなくてまだ良かったよ」「骨折よりマシだと思わなきゃ」と励ましたりアドバイスしたとします。
ですが、自分が足首を捻挫すると、大騒ぎしたり強く落ち込みます。
そして、「骨折よりマシだと思わなきゃ」と励まされたりしたら、「人の辛さも知らない癖に!」と怒り始めます。
ポジティブな振りをする人が、ポジティブになる為には?
いかにもネガティブな人のほうが、振りをする人より、ポジティブに近い位置に居ると言えます。自分の長所に氣付き、成功体験を重ねて自信をつければそうなれるからです。
一方、振りをしたり思い込んでいる人だとそうはいきません。間違った自己認識を直してもらい、自分のネガティブを認識してもらう所から始めてなければいけません。
ですが、そのような人は、ネガティブな自分というものを恐れていますので、まずそれを認めないでしょう。
ネガティブのメリットを知る
ネガティブ思考の一番のメリットは、危機管理能力です。生き物の本能的部分でもあります。
悪い方向に考えて「無理だ」「ダメだ」と思うのではなく、危険を避ける方法や、どう動けば良いかを考える方向に持って行けば良いだけです。
考えるという事は、氣力をかなり消費する疲れる作業です。それが長時間出来るのも凄い事です。それを悪い方への想像ではなく、物事への多角的な考えとか事実確認の方に使えば、大きな強みになります。
ネガティブ思考は、単純に考え方の癖です。
なので、考える力のあるネガティブな人は、その考え方の癖を変える方法を考えて見つける事が出来るはずです。
あなたの長所を知る
ポジティブな振りをしている人が特に長所と判断している部分は、欠点であったり、直した方が良い部分な事が多いです。逆に、欠点だから消したいと願う部分に長所があります。
消したいと思う部分を個性と考えて、伸ばす方向性で考えてみてはいかがでしょうか?
人の重圧から解放される時間を作る
本来の自分とは違う自分になっているのは、他人に呑まれているからです。他人が望む自分や、他人に評価されると思っている自分を演じているに過ぎません。
一人の時間を作ったり、好きな事に没頭してみて、上手く自分を解放出来ると、元の自分に戻れます。その体験を繰り返して、自分が居心地の良い方を選んでみてください。
器量を大きくする
人として器が大きくなると、他人を許容出来るようになってきます。そして、自分自身を一番に許容出来るようになります。
ある日、ふと「これが自分なんだから別にいいよね」といった感じに、あっさり認められる感じです。そして、「いちいち振りしたりするのも面倒くさい」と思うようになってきます。
自分を許容出来ると、とても心が楽になります。
まとめ
自分がネガティブと知っていながら、あえてポジティブな風を装っている人もいます。それは世渡りの手段としてポジティブを使っているだけなので、そんなに不健全さは感じません。
ですが、ネガティブな自分を否定してポジティブな振りをしている人の氣は、シクシクと泣いているように感じます。きっとそれが、本当の氣持ちなのでしょう。
自分を一番大切に出来るのは、自分自身です。それが役割でもあります。その事を心に止めておいてください。
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